薬理作用とは? 精油の香りが健康に役立つ理由

5分で学べる薬理作用

アロマテラピーに使われる精油には、ただ良い香りがするだけでなく、植物が持つ力を私たちの体に届ける「薬理作用」があります。この薬理作用とは、精油の成分が私たちの体に働きかけ、まるでお薬のように心身をサポートする力のことです。「アロマの基本~5分で学べる10のレッスン」4回目は、薬理作用について基本的な考え方を見ていきましょう。

目次

薬理作用とは?

薬理作用とは、植物の中に含まれる特定の成分が、私たちの体の機能に働きかける作用を指します。

簡単に言えば、主に精油を基材で希釈して皮膚に塗った場合、精油の成分が体内に吸収されて、それが特定の症状や体調不良に対してお薬のような役割を果たし、自然な形でサポートしてくれるのです。

例えば、精油に含まれる成分が炎症を抑えたり、ホルモンバランスを整えたりすることができるのは、この薬理作用によるものです。

薬理作用は、体に優しく働きかけるため、一般的なお薬のように強い副作用を伴うことが少なく、穏やかな効果が期待できるのが特徴です。

植物の力で日常をサポート

精油に含まれる薬理作用の中でも、50代女性に役立つ代表的なものが「ホルモン様作用」「抗炎症作用」「収斂作用」です。それぞれ、体にどのように働きかけるのかを見ていきましょう。

ホルモン様作用

ホルモン様作用とは、精油の成分が体内でホルモンのように働きかけ、ホルモンバランスをサポートする作用のことです。更年期に差し掛かるとホルモンのバランスが崩れやすくなりますが、クラリセージやサンダルウッド、サイプレスやセージなどの精油は、女性ホルモンのような働きをして心身のバランスを整えてくれます。自然の力でホルモンバランスをサポートするこの作用は、私たちにとってとてもありがたいものです。

抗炎症作用

抗炎症作用は、体の中で起こる炎症を鎮める作用です。抗炎症作用をもつ精油は数多く、レモングラスやラベンダーアングスティフォリア、ブラックスプルースやティートゥリーなどの精油が持つ抗炎症作用は、筋肉痛や関節の炎症や肌の赤みなどを和らげるのに役立ちます。日常生活で感じるちょっとした不調にも、この作用を持つ精油を取り入れることで、穏やかにサポートすることができます。

収斂作用

収斂作用は、肌を引き締める働きがあり、年齢とともに気になりやすい肌のハリや毛穴ケアに効果的です。ゼラニウムエジプトやパルマローザ、ローズなどの精油がこの作用を持ち、肌を引き締め、若々しい印象を保つ手助けをしてくれます。特に収斂作用は、スキンケアの一環として取り入れると日常のケアがさらに充実します。

体に優しい自然のアプローチ

薬理作用は、お薬のように即効性があるわけではありませんが、自然の力で体を整えたいと考える方にはとても頼もしい味方です。特に50代を迎える女性にとって、ホルモンバランスやお肌のケアなど、日々の健康を穏やかにサポートしてくれる精油の薬理作用は心強いものとなるでしょう。

次回の第5回は、これらの薬理作用が体に影響を与えるメカニズムについてお伝えします。

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