手作りのアロマスプレーの基本、見直してみませんか?

手作りアロマスプレー

アロマクラフト体験の中でも特に人気が高いのが「アロマスプレー作り」です。

精油の香りを手軽に楽しめるのはもちろん、抗菌、虫除けなど、さまざまな目的に応じて活用できるのも魅力です。

基本の作り方を覚えれば、精油やアルコールの濃度を調整して、目的に合ったスプレーが作れるようになります。

今回は、作り方の基本とアルコール濃度による違い、そして、おすすめのブレンドレシピをご紹介します。

目次

基本の材料

スプレー容器

ガラス製やプラスチック製など、さまざまな形状のものがあります。
アロマスプレーには、光による劣化を防ぐ茶色や青色などの遮光タイプのガラス容器がおすすめです。
また、アルコール対応の素材であることが大切です。
対応していない容器では、アルコールや精油によって素材が劣化したり、成分が溶け出してしまう可能性があります。

精油

精油濃度は、ほんのり香らせたい場合は1〜2%程度が目安です。
香水のようにしっかり香りを楽しみたい場合は、濃度を上げることもできますが、使用目的や肌への影響を考慮して調整が必要です。

精製水

ミネラルを含まない純水で、香りの安定や保存性の向上に役立ちます。
薬局で500ml程度のボトルが150〜200円ほどで購入できます。

無水エタノール

精油は水に溶けないため、アルコールであらかじめよくなじませる必要があります。
そのため、アロマスプレー作りには「無水エタノール」を使用します。精製水と同様に薬局で手に入ります。

POINT:無水エタノールを使用しましょう。

ここで使うアルコールは、「無水エタノール」です。
エタノール99.5%以上の純度があり、アロマスプレー作りに適しています。

一方、市販されている「消毒用エタノール」はすでに水が混ざっており(エタノール濃度およそ80%)、手指や道具類の消毒には便利ですが、アロマクラフトの基材には向いていません。

基本の作り方

3ステップで完成します。

  • 精油をブレンドする
    (おすすめのブレンドRecipeは記事の後半でご紹介します)
  • 1に無水エタノールを加え、よく混ぜる
  • 2に精製水を加えてさらに混ぜ、スプレーボトルに移す

POINT:無水エタノール(先に)⇒精製水(後で)の順番が大切です。

精油は水には溶けませんので、最初に無水エタノーでしっかり溶かすのがポイントです。

これにより香りがムラなく広がりますし、安全に使用することができます。

アルコール濃度による使い分けと特徴

アロマスプレーは、使用するアルコールの量によって性質や用途が変わります。
ここでは、2つのアルコール濃度での使い方をご紹介します。

香りの心地よさと安全性のバランスを考えながら、目的に合わせて使い分けてみてください。

アルコール濃度10%以下のスプレー

  • 毎日使いやすい、やさしい低アルコールスプレー。
  • 布製品にも使いやすく、日常的に香りを楽しみたいときにおすすめです。
  • 例えば、全量で50mlのスプレーを作る場合には、無水エタノール5ml+精製水45mlで、アルコール濃度10%のスプレーが出来上がります。

● 使用例

・カーテンやクッションのリネンスプレー
・マスクスプレー(外側に使用)
・春夏:虫よけスプレー、クールダウン用の化粧水
・秋冬:空気の乾燥が気になる季節の空間香りづけ

● 特徴
・肌や布への刺激が少なく、やさしい使い心地です。

・アルコールが苦手な方にも取り入れやすい濃度です。

● 注意点
・アルコール濃度が低いため、衛生目的の効果はほとんど期待できません。

・精油の種類によっては布に色がつくことがあります。

・大切な布製品には、目立たない場所で試してからの使用をおすすめします。

・精製水の分量が多いスプレーは劣化しやすいため、早めの使い切りが基本です。

・濃度が低くてもアルコールを含むため、火気厳禁です。

アルコール濃度約80%のスプレー

  • 一般的に、アルコールは60〜80%の濃度で高い除菌力を発揮するとされています。
  • そのため、身の回りを清潔に保ちたいときにも使える濃度です。
  • 例えば、全量50mlのスプレーを作る場合は、無水エタノール40ml+精製水10mlで、アルコール濃度80%となります。

● 使用例
・外出時の手指の清潔ケア
・キッチンや洗面台など水まわりのお掃除
・香りを楽しむルームコロン(熟成後の使用がおすすめ)

● 特徴
・アルコールの気化が早く、スッキリとした使用感です。

・香りの持続性が高まり、ルームコロンにも適しています。

・熟成させることで香りが落ち着き、印象がまろやかになります。

● 注意点
・使用後すぐはアルコール臭が強く感じられることがあります。

火気の近くでは絶対に使用しないこと(特にキッチンなど)。

・使用後はしっかり換気を行いましょう。

・高濃度のため、肌の弱い方は直接の使用にご注意ください。

このように、目的に応じてアルコール濃度を調整することで、香りを楽しむだけでなく、日々の暮らしに役立てることができます。

また、皮膚への刺激が気になる場合には、アルコールを使用しないアロマスプレーもおすすめです。

精油の組み合わせで広がる活用例

アルコール濃度の調整に加えて、精油のブレンドを変えることで、さらに活用の幅は広がります。

おすすめのアロマブレンドをご紹介します。50mlのアロマスプレーを作る場合に、ほんのり香る1%の精油濃度になるよう、合計10滴のブレンドでご紹介しています。

蚊よけスプレー

レモンのような爽やかな香りとメントールの清涼感が特徴です。虫が嫌う香りを使いつつ、汗ばむ季節にスーッとした使い心地を楽しめます。外出前の手足のケアにもおすすめです。

レモングラス 4滴
ユーカリ・レモン 2滴
ゼラニウム・エジプト 2滴
ペパーミント 2滴

クールダウン用化粧水

すっきりとした清涼感に加えて、ラベンダーやゼラニウムが肌をやさしく整えます。ローズの上品な香りで、気持ちまで落ち着くようなミストに。日差しを浴びた肌のお手入れにも。

ローズマリー・ベルベノン 3滴
ラベンダー・アングスティフォリア 2滴
ペパーミント 2滴
ゼラニウム・エジプト 2滴
ローズ 1滴

部屋干し臭対策スプレー

やさしく甘い柑橘の香りに、ホーウッドの落ち着いたトーンをプラス。
お部屋にこもった湿気やニオイが気になるときに、気分までリフレッシュできる消臭スプレーです。

マンダリン 5滴
ホーウッド 2滴
オレンジスイート 1滴
ペパーミント 2滴

安眠サポートスプレー

一日の終わりに心をゆるめる穏やかな香りのブレンド。
ラベンダーとベルガモットのやさしさに、イランイランの甘さが重なり、自然と呼吸が深くなるような心地よさがあります。枕やリネンにどうぞ。

ラベンダー・アングスティフォリア 3滴
ベルガモット 3滴
イランイラン 2滴
マンダリン 2滴

お目覚め用スプレー

朝のぼんやりした頭をすっきりさせたいときに。ローズマリーとレモンのキリっとした香りに、ユーカリとフランキンセンスで深みを添えました。深呼吸しながら一吹きすると、気持ちがシャキッと整います。

ローズマリー・シネオール 4滴
レモン 3滴
ユーカリ・ラディアタ 2滴
フランキンセンス 1滴

アロマスプレー作りは、香りを楽しみながら実用的なアイテムを手軽に作れるクラフトです。

難しく考えず、まずはその時の気分で心地よいと思える精油を自由にブレンドしてみることもおすすめです。

アロマスプレー作りで、天然精油の香りとアロマクラフトの楽しさを、ぜひ気軽にご体験ください。

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