更年期を穏やかに過ごすヒント 変化に寄り添うアロマテラピー

目次

更年期とは

更年期とは、女性が40代後半から50代半ばにかけて経験する、閉経を挟んだ前後の時期を指します。

個人差はありますが、この時期には体調や気分にさまざまな変化が生じやすくなります。

Aroma_Honokaの教室は、30代後半から50代の生徒サマが大多数ということもあり、ホットフラッシュや不眠、気分の落ち込みなど、時には日常生活に支障をきたすような症状に悩まされるという相談も多く寄せられます。

心も体も揺らぎやすいこの時期ではありますが、アロマテラピーという自然の力は私たちの心強い味方になってくれています。

私たちの不調に寄り添い、癒しをもたらしてくれる精油は数多くありますが、今日はおすすめの精油と使い方をご紹介します。

変化していくココロとカラダを支えてくれる精油たち

クラリセージ

クラリセージは、更年期に特に役立つ精油の代表格です。

ホルモンバランスを整えて心の不安を和らげる作用が期待できます。

これは、クラリセージ精油に含まれるスクラレオールという成分が女性ホルモンのエストロゲン様作用をもつことによる効果で、ホルモン変動による不快感を和らげるのに役立つとされています。

さらに、マジョラムやゼラニウム、ローズなどとブレンドすると、香りの温かさも増してほっこりとした寛ぎをもたらしてくれますのでとてもおすすめです。

ラベンダー・アングスティフォリア

ラベンダー精油というとリラックス効果で有名ですが、多くの品種がありそれぞれに違った効果を持ち合わせています。

多くのラベンダー精油の中でも、ラベンダー・アングスティフォリアは更年期特有の緊張感や疲労を和らげることを得意としています。

ラベンダーアングスティフォリアには、リナロールや酢酸リナリルといった鎮静作用をもつ成分が多く含まれていますので、ストレス緩和や安眠を促して不安やイライラの軽減にも役立ちます。

このラベンダーアングスティフォリアは夜の時間帯の使用が特におすすめです。

入浴時にバスオイルとして使用したり、寝室でディフューザーで香らせたり、ディフューザーをお持ちでなければティッシュペーパーに1滴たらして枕元に置くだけでも深い眠りを促してくれます。

マンダリンやプチグレン、イランイランなどとブレンドすると、さらに深いリラックス状態に導いてくれますので、体や心の痛みまで和らぎます。

ペパーミント

ペパーミントは、突然のほてりや汗を抑えて体温の調整をサポートしてくれます。

私も思いがけない場所で、突然、顔から汗が吹き出してしまうことも度々ですが、そんなホットフラッシュのケアのために、練り香水にして持ち歩いて首筋やこめかみに塗布しています。

ペパーミント精油の持ち味でもあるスースー感で、呼吸が楽になりすっきりとした気分になれますし、冷却作用もあるため背中がホクホクと熱くなるような突然の体温上昇を感じる際にもとても効果を感じています。

ローズ・オットー

ローズ精油は、高価で貴重な精油として知られていますが、その豊かな香りで情緒不安定や気分の変動が和らぎますので、感情のバランスを整えるのにとても効果的です。

そして、ゲラニオールという成分の優れた収斂作用で、お肌の老化を防いで乾燥やたるみを軽減しますので、更年期に伴う皮膚の衰えを改善するためにも心強いサポーターになってくれます。

教室でも、手作り化粧品のブレンドにほんの1滴加えただけで、生徒サマの表情が明るくなり、頬が色づくような様子を何度も目にしました。

失っていくものも多い時期ではありますが、ローズ精油はそんな時期の私たちに多幸感をもたらしてくれる精油です。

ヘリクリサム

ヘリクリサムは、メディカルアロマのレシピでは、打撲や青あざの回復を早める優れた効果で知られている精油です。

これは、βジオンという成分の血腫抑制作用を活用したものですが、更年期の症状への作用としては、血液循環を促進してホットフラッシュやむくみ、冷え症を和らげて体の循環を改善してくれます。

また、抗酸化作用や皮膚の再生能力にも優れた精油ですので、肌の弾力や若々しさを保ち、乾燥やたるみを改善してくれます。

私は、教室の人気クラフトでもある「素肌再生ジェルクリーム」を作って、毎日のスキンケアでヘリクリサム精油やローズ精油の作用を取り入れています。

アロマテラピーの取り入れ方

アロマテラピーは簡単に毎日の生活に取り入れることができます。

最も手軽に取り入れられるのは芳香浴です。
ディフューザーを使ってお部屋全体に香りを広げることで、リラックスした時間を手軽に作り出すことができますし、少し知識は必要になりますが、キャリアオイルで希釈してお風呂上がりのマッサージに取り入れることもおすすめです。

そして、精油はブレンドすることで、それぞれの精油の持つ優れた作用に相乗効果が生まれます。

また、新しい自分だけの香りを創り出すこともできますので、ご紹介した精油をいくつか組み合わせて、ぜひブレンドもお楽しみください。

更年期のセルフケアと嗅覚反応分析

ご紹介した香りは、それぞれに素晴らしい薬理作用をもつ精油です。

薬理作用とは、私たちの体に穏やかにお薬のような効果をもたらすもので、その作用をもって更年期の様々な不調をサポートすることができます。

ここで、さらに効果を実感していただくためにおすすめしているのは、自分の体質を知り、自分に合っている精油を使用していただくということです。

これは、自分の体質を知ることで、過剰なものは控えながら、不足しているものを補うことが可能になるからです。

嗅覚反応分析では、簡単なチェックで自分の体質を知ることができますが、例えば、クラリセージやローズは、落ち着きのある思考家タイプの方をサポートすることが得意な精油です。

思考家タイプの方は知的好奇心が強くて完璧を求めがち、そして物静かで内に秘めたものを発散することがあまり得意でない方が多いため、ストレスを感じやすく自律神経やホルモンバランスが乱れやすい傾向があります。

そこで、バランスの乱れを補い気分の浮き沈みを解消するお手伝いができるクラリセージやローズ、ゼラニウムやマジョラムを使用していただくと効果を実感していただきやすいということになります。

Change of Life

更年期は、英語で「Change of Life」とも表現されるように、「終わり」ではなく「変化」の時期です。

そして、アロマテラピーは、新たな自分を迎え入れて心地よい変化を楽しむためのこの時期をサポートしてくれる自然の力です。

私自身、思い描いていた教室運営には程遠く、体やお肌の衰えも感じ、思い悩むことも多い日々ですが、天然の香りに包まれながら日々のストレスを解きほぐし、同じ時期を過ごす皆様と一緒に、新しいステージへと一歩ずつ進んでいけたらと思っております。

自分を労わる時間を大切にするために、ぜひアロマテラピーをご活用ください。

目次